パニック障害になってから、電車が地獄になった話

パニック障害になってから、電車が地獄になった話

改札を通るだけで、喉が渇く。

まだ乗ってもいないのに、
もう心臓が速い。

「今日は大丈夫かな」
その一言が、毎回よぎる。

電車に乗るって、こんなに覚悟がいることだったっけ。

乗る前から、もう始まっている

ホームに立つ。

電車が入ってくる風圧。
ブレーキの音。

それだけで、身体が緊張する。

ドアの位置を確認する。
階段の場所を確認する。
次の駅まで何分か頭に入れる。

逃げ道の確認。

無意識じゃない。
必死。

ドアが閉まった瞬間、逃げ場がなくなる

満員電車。

体が押される。
腕が自由に動かない。
空気が薄く感じる。

その瞬間、

心臓がドン、ドン、ドンと強く鳴る。
呼吸が浅くなる。
視界が少し遠くなる。

「やばい、来た」

頭の中でサイレンが鳴る。

“ここで倒れたらどうしよう”
“迷惑かけたらどうしよう”
“次の駅まであと何分?”

永遠みたいに長い。

僕が毎回やっていたこと

ドアの隙間から入ってくる外の空気。

あの一瞬の冷たい風に、
必死で意識を向ける。

「空気、ある」
「吸えてる」

そして、ポケットの中のフリスク。

口に入れて、
あのスーッとする感覚に集中する。

味。
冷たさ。
舌の上の刺激。

発作を止めるためじゃない。

“気を逸らすため”でもない。

ただ、
今ここに自分をつなぎ止めるため。

降りたことも、何度もある

限界が来て、
途中下車したこともある。

ホームに出た瞬間、
足が震えて立っていられなかった。

しゃがみ込んだこともある。

情けないと思った。

そのとき、
知らない人が声をかけてくれた。

「大丈夫ですか?」

優しい声だった。

あの瞬間、涙が出そうになった。

そのとき、初めて思った

もしここで倒れたとしても、

誰かが助けてくれるかもしれない。

僕はずっと、

「倒れたら終わり」
だと思っていた。

でも実際は違った。

世界は、
思っているより冷たくなかった。

怖さはゼロになっていない

今でも満員電車は好きじゃない。

でも、

「発作が出たら終わり」から
「出ても助けてもらえる」に変わった。

それだけで、
少しずつ怖さは薄れていった。

克服じゃない。

上書き。

“怖い記憶”の上に、
“助けてもらえた記憶”を重ねていく。

それだけだった。

今、電車が怖いあなたへ

あなたは今、

「ここで倒れたらどうしよう」

と一人で抱えていませんか?

本当に、
誰も助けてくれないでしょうか?

ほんの少しだけでいい。

“助けてもらえるかもしれない”
その可能性を、隅っこに置いてみませんか?

それだけで、
次の駅までの時間が、少し短くなるかもしれません。

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